第3回: “MADE IN JAPAN ” 職人技の逸品


ペリーが江戸の町を散策(視察?)している時、何より驚いたのが鍛冶職人や大工職人、瓦職人に染物職人達をはじめとする日本人の職人技術の質の高さだったという。一説にはそれらを自分の目で見て回ったペリーが「日本という国は今までのアジア諸国のように西洋列強といえども簡単には支配できないであろう」と記したとも言われている。

 

最近、地方自治体様の仕事の関係で日本に帰る度、その土地その土地の職人技が光る『スグレモノ』に出会い、驚き、惹かれ、やがてそれはオーストラリアで紹介したい!という衝動に変わる。単に人の物欲を満たすだけではではなく、伝統と歴史、そして職人さんの知恵や技術、さらには日本のテクノロジーが相交わり育まれた温故知新の芸術性を感じる『スグレモノ』をこちらの人にも伝えたい!と思うこの頃である。

 

いま、僕たちTRYBERがオーストラリアでプロモーションしつつ、販路開拓に向けて力を注いでいるジャパニーズ・マイスターの逸品を幾つかご紹介したい。

 

 

岡山県倉敷・児島のデニム生地
世界でも有数のデニムの生産地である児島。頑丈で安心の質感が誇るMADE IN JAPAN!日本の職人さんだからこそ成せる繊細な仕掛けが多いのも心憎い。昨今パリでの展示会をはじめ、世界が注目するデニムがここ倉敷・児島から発信されている。

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西洋で生まれたデニムが時を経てMADE IN JAPANの技術をベースに進化し続けている。デニム素材の良さもさることながら、とにかく縫製がしっかりしており、至る所に仕事人の痕跡が垣間見える至高のジーンズだ。

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デニム生地を使ったユニークな小物や雑貨も味がある。使いこむほどに独特の味わいが出てくる。個人的にも名刺入れと小銭入れを愛用している。

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児島にはジーンズ通り(?)があり、その名の通り街の一角にはデニム屋さんが立ち並ぶ。無造作に吊るされたデニムの向こうには夕焼け空。幻想的ですらある光景。海外の買い物客も増加を辿っている。

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倉敷の老舗酒蔵、十八盛さんの銘柄『ことのわ』はデニム生地のラベルを使用。デニム生地を余すところなく使い切るところに石合社長のセンスと郷土愛を感じる。2014年3月のメルボルン展示会の際にはオーストラリアの人々のハートを鷲づかみにした日本酒だ。

 

 

肌触りがクセになる愛媛県の今治タオル
愛媛県の今治地方では明治の後期から地域を挙げてのタオル生産に力を入れてきた。幾多の時代を乗り越え、今なお輝き続ける伝統の技とそれを昇華させた近代技術。近年の人気再沸騰は一過性のものではなく、時代に合わせた斬新な見せ方と抜群の機能性が話題となり世界で今治タオル・ファンを生み出している。タオルばかりではなくタオル素材を使ったネクタイや婦人服、生活用品など多岐に渡るアイディア・グッズが誕生している。『1000回洗っても肌触り抜群!』な今治タオルを是非、オーストラリアでも普及させたい。

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赤富士のハンドタオル。バスタオルなどサイズや種類違いもある。とにかく肌触りがやさしくて抜群。吸収性も優れており、特に繊細な肌の人には本当におすすめです。今治タオルは日常ある、あたりまえの生活をしあわせにしてくれます。

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今治タオルの素材で作ったネクタイ色とりどり。手も拭けます!簡単に洗濯できます!とお店の方が仰っていました。『自宅で洗えるネクタイ』一着いかがですか?

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愛媛県松山市にある今治タオルグッズ専門店を3月に視察。ちなみに店員さんが付けているネクタイが今治タオル製!オーストラリアで愛媛県の日本酒&今治タオルのコラボイベントをやりたいと目論んでいる。

 

 

岩手県の南部鉄瓶
便利な魔法瓶や湯沸かしポットがあたり前の時代において、岩手県の南部鉄瓶が世界から脚光を浴びている。物によっては2年待ちもあるぐらい各国からのオーダーが途絶えないそうだ。個人的にもう何年も南部鉄瓶を愛用しているが、とにかく魔法瓶などに比べて手入れが必要。でも手入れしている時こそが贅沢な時間なんだよね。鉄分も採れるし、鉄瓶で沸かしたお湯でお茶を淹れたら美味しいし、結局人間は便利なものに囲まれ過ぎるよりも多少不便を感じながら、自ら手入れしたり工夫したりする事がささやかなしあわせなんじゃないかな?何が違うって、お湯が沸く時の音がもう全然違います!

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4月に岩手県盛岡にて南部鉄瓶の職人さんの作業場を視察。手作りによりひとつひとつに魂が宿る瞬間だ。大量生産なんてできません!

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作業場は真剣勝負。この素晴らしい技術と伝統を受け継いでくれる担い手が不足しないことを願うばかりだ。

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昨年11月、パティシエのピエリックが茶道体験をした際もやはり鉄瓶が心地良い音をたてていたものだ。鉄瓶で沸かしたお湯でいただく抹茶は最高!

 

 

高知県の土佐包丁
土佐の包丁は全国的に見てもその質が素晴らしく、私の東北在住の知人は高知まで年に数回、自ら高知まで出向き目利きして買い付けた後、それらをアメリカに持って行き紹介・販売しているほどだ。昨年11月にオーストラリアからシェフ二人と連れだって高知県の穂岐山刃物様を訪問させていただき土佐包丁が焼きあがるまでの過程や社長のお話を聞かせていただいたが、実に厳かでその持ち味や切れ味にシェフたちは驚嘆していたのを思い出す。伝統的な技術、そしてテクノロジーを活かしたセラミック包丁など多種多様な開発に頭が下がる思いだ。今、オーストラリアは日本の包丁が高く評価され、中にはそれらを専門に扱うお店も登場しているほどの人気ぶりだ。

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高知県の穂岐山刃物様の作る土佐包丁は吸い込まれそうな色艶を放ち、それを持つ料理人を虜にする。素人の僕はこられを見た時、なぜか頭の中で凛とした日本刀の出で立ちを思い描いた。

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炎の中から土佐包丁が生まれた瞬間。実際に現場で目の当たりにすると厳かな気持ちになるのは何故だろう。包丁は料理人の刀だ。

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職人さんの作業の一瞬の匙加減により善し悪しが決まる緊張の戦いが黙々と続く。

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高知県の穂岐山刃物様オフィスにて真剣な包丁談義をするシェフ達。それにしても鋭い包丁が良く似合う二人だ(笑)。

このように時代を積み重ねた日本の職人魂と探求心は脈々と引継がれ、今、世界中で大きな評価を得、活躍の場を広げている。紹介した他にも多くのジャパニーズ・マイスターが作り上げる逸品たちが世界で求められ、同じく脚光を浴びている。

 

 

これらはどこにも負けないMADE IN JAPANの力として誇りと自信を漲らせて燦然と輝いている。どこの国に押されようが、大量生産大量消費の時代に揉まれようが、良いものは良い。決して色褪せることなくきちんと評価されているのだ。“MADE IN JAPAN”の力は古いとか新しいとか、流行だとかブームだとか、そんな刹那的な枠の中でははまらない底力を持ち備えていると思う。

 

僕たちTRYBERはそれらが持つ背景や歴史を知り、自分たちが好きになり誇れるものをゆっくりセレクトしながら根気よくオーストラリアの人たちに伝わるような取り組むを続けてゆきたいと思っている。

 

もしもこのブログを読んでいただき、自分達の都道府県、自分達の街の、自分達の作る物をオーストラリアで紹介してみたい!と思う作り手さんがいらっしゃれば、どのような形でも結構ですので、まずはその熱い思いを私たちまで届けてください。必ず責任を持ってお答えさせていただきます。

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