第1回:高知県プロジェクト


思えば10代の頃、あまり自分や世の中に未来を描けず過ごしていた。

うすぼんやりとやり過ごす思春期だったがある時、書店で目に留まって読み始めたのが『竜馬がゆく』。幕末を駆け抜けた流星のような坂本竜馬の青春像に惹き込まれ、好きなくだりには赤鉛筆で線を引いたりした。桂浜で太平洋を眺め思いふけるような真似事もしてみた。

明確な理由も理屈もないが、この著に出会ったことと19歳の時、初めて海外に旅した衝撃などが塩梅よく化学反応し、図らずもその頃から人生のスピードが変わり始めたような気がする。

坂本竜馬

月日は流れ2年ほど前。シドニー駐在の高知県職員の方とちょいとした宴席で出会い、すべてがそこから動き始めた。2013年は高知県へ三度訪問して色々な話をさせてもらった。時にひろめ市場で杯を重ね、時に柚子農園や養鰻場へ連れて行ってもらい、県の置かれた現状について生産者の方々、県庁の担当者から生の声を聞かせてもらった。高知県海外拠点の要であるシンガポール事務所にもお邪魔し、静かな迫力に満ちた所長や勇猛な副所長(当時)と胸襟を開き土佐の近未来を語り合った。

 

高知県ミーティング 地元の方のお話 高知県シンガポール事務所 菊水酒造のデーナさん

2013年11月、私が尊敬するシェフ二人とともに柚子狩りを体験し、高知県の調理学校では地元のシェフ達と交流を図り滋味ある山海・河川の恵みを味わいながら郷土の宝を五感で感じる体験をさせてもらった。『百聞は一見にしかず』、『知識は経験に勝てず』。高知県プロモーションをともに戦ってくれるシェフ達もたちまち高知を大好きになってくれ、以来オーストラリアで高知柚子を使った様々な料理・デザートを創作、高知県物産の普及に尽力してくれている。まだまだ小さな一歩かも知れないが豪州の新しい食文化創造の礎となる取り組みが連綿と続いている。仕事を歌に例えるならば、百年後、作者は知らずとも誰かがその歌を口ずさんでいてほしい。僕らも同じだ。100年後、高知柚子や日本酒を食するオーストラリア人を瞼に夢見て今の仕事をする!ロマンはすぐ身近にあるものだ。

高知県での柚子収穫

高知県は新幹線も通っていなければ大企業の姿もあまり目に付かない。僕の住むメルボルンと共通するが街中を路面電車がガタゴトのんびり走っている。高知にはやけにレトロな車体が多いせいか「昭和40年代か!」と思わず突っ込みたくなる。厳しい山岳に囲まれ、最後の清流と名高い四万十川、吸い込まれるような紺碧の美・仁淀川を擁する。そしてご存知、雄大な太平洋を望む桂浜、等々。手を付けなかったのか、手を付けられなかったのか今となってはどちらでも良いが、とにかくこの大いなる自然が生き生きと残っている事実に勝手ながら人類を代表して手を合わせたい。これはお金じゃ買えない。もはや地球のお宝地域だ。

高知県のトラム

高知県の自然

高知県の柚子や日本酒、物産が徐々にではあるがオーストラリに普及しつつある。微力ながら我々は今後も色々な活動や販売促進にチャレンジしてゆく覚悟だ。そして今度はオーストラリアに住む人達に実際、高知県へ行ってもらいたいし、見てもらいたいという大きな目標がある。桂浜やひろめ市場でオーストラリア人、世界の旅行者たちが楽しそうに笑っている姿を夢見て、『海援隊南半球支店』のつもりで頑張ってゆきたいと思う。

柚子プロモーション オーストラリア

高知柚子プロモーションメルボルン

イベント後

手前味噌ながら少々、活動レポートをリンクいたします。

高知県 高知柚子&物産イベント
(2014年2月27日、メルボルンRACV CITY CLUBにて開催)

日本語 http://www.gogomelbourne.com.au/events/report/4869.html

英語 http://www.japaninmelbourne.com.au/event-kochi-yuzu-australia/

動画レポート