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第7回:我、プロモーションに思うこと。


「そんな事より幾ら?いつから購入できるの?」

イベントの招待状をお渡しした際、バイヤーさんから言われるとドキッとする言葉だ。

自分達が企画・実行するプロモーションにはどれほどの意味を成し、また必要性があるのか?と自問自答していた時期もあった。

 

我々が就いている豪州での日本食や酒・製品をプロモーションするプロジェクトは県や市の予算を充ててもらっている案件も多く、言ってみれば日本国民の税金である。

 

日豪を繋ぐ新しい食文化や未来交流の創造!

聞こえはカッコ良いかも知れない…

大義名分を背負ったような匂いもする…

個人的な感情だが、ふとした拍子に年老いた母や亡くなった祖父の姿が目に浮かぶ。

毎日の暮らしの中、老いて尚、拾円・百円を切り詰めながら生きている母。

過酷な真夏の肉体労働の中、自分のためには缶ジュース1本買わなかったあの頃の祖父。

自分の中の原風景ともいうべき親や祖父母の慎ましやかな姿が蘇る。少々極端かも知れないが、そういった人達の血税を預かり、どうオーストラリアで活かし、何を結果として返してゆけるのか?忙しく邁進してはいるものの、やはり真面目に考えることもあるのだ。

 

高知の柚子商談会を大々的なイベントとして立ち上げている時だった。

「インターネットとかじゃなく、高知新聞の紙面に紹介して地元で毎日、実際に柚子を作っている年配層の生産者の人達に読ませてあげたい。」高知柚子仕掛けのきっかけを作ってくださった県庁のAさんに言われた。その時、なぜか自分の中で迷いのような感情がスーッと消えた。

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シンガポール高知県事務所を訪問しKOCHI PROMOTIONの未来を語り合った

 

和久田哲也シェフにはこうも言われた。

「生産者の人たちが潤うって言うけど具体的にはどういうことだと思っているの?」

「輸入の規制もあるけど果汁だけを使ってあとの部分は製品にしないの?それでは出来る事だけをやっているだけじゃない?生産者の人達が潤うっていうのは生産者が作った柚子を余すとことなく全部使い切って還元しないと意味がないよね。」

正直、己の思考が足らないままに世界のTetsuyaさんと向かい合った自分に赤面した。

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今年の10月、いよいよTetsuya’×KOCHI YUZUのコラボ・イベントを開催予定

 

ただ、あたりまえのことを言われて、それがあたりまえに刺さった時、人間は思考を変えようとするものだ。Tetsuyaさんの言葉を聞いて、何か大きなヒントをもらった気がした。

 

イベントのいう名の商談展示会。

楽しそうに見える事だろう。威勢よく見えることもあるだろう。

でも目指す方向を失わず、自分たちが勘違いしなければ良いことだ。

人が集ってくれるイベントを興す立場なのだから、元気の良さや親しみがあるのは当然と言えば当然。

 

エゴではなく、その商品や趣旨にとって最も良い環境で最も日の当たる場所に持ってゆくのが僕たちの役割。商流を作るのももちろんだが、プロモーションする商品や内容を好きになってくれる人たちを増やすこと。それこそが我々TRYBERの出来る事だ。

決まった答えがあるわけではなく、こうと決めたことを真っ直ぐに見つめてゆきたいと思う。

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2013年東京ディズニーランドのアンバサダーホテルにて日豪交流イベントにて

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2013年東京都様の観光誘致イベント開催の時、メルボルンにて

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2014年2月、高知県様の高知柚子&物産プロモーションにて
http://www.gogomelbourne.com.au/events/report/4869.html

 

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2014年3月、岡山県倉敷市様の日本酒プロモ―ションにて
http://www.gogomelbourne.com.au/events/report/4875.html


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2014年8月、秋田県様の日本酒&郷土料理イベントにて
http://www.gogomelbourne.com.au/events/report/4959.html

 

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この11月にはKOCHIYUZUのプロモーションを図るためにムッシュ、建太郎さん、きんさんとともに高知県へ行く

 

同じ目標に向かってチームで仕事をする達成感は何物にも代えがたいものがある。初心を忘れず、これからも走りつづけたい。素晴らしい出会いと機会こそが人生の醍醐味だと感じるこの頃である。

 


第1回:高知県プロジェクト


思えば10代の頃、あまり自分や世の中に未来を描けず過ごしていた。

うすぼんやりとやり過ごす思春期だったがある時、書店で目に留まって読み始めたのが『竜馬がゆく』。幕末を駆け抜けた流星のような坂本竜馬の青春像に惹き込まれ、好きなくだりには赤鉛筆で線を引いたりした。桂浜で太平洋を眺め思いふけるような真似事もしてみた。

明確な理由も理屈もないが、この著に出会ったことと19歳の時、初めて海外に旅した衝撃などが塩梅よく化学反応し、図らずもその頃から人生のスピードが変わり始めたような気がする。

坂本竜馬

月日は流れ2年ほど前。シドニー駐在の高知県職員の方とちょいとした宴席で出会い、すべてがそこから動き始めた。2013年は高知県へ三度訪問して色々な話をさせてもらった。時にひろめ市場で杯を重ね、時に柚子農園や養鰻場へ連れて行ってもらい、県の置かれた現状について生産者の方々、県庁の担当者から生の声を聞かせてもらった。高知県海外拠点の要であるシンガポール事務所にもお邪魔し、静かな迫力に満ちた所長や勇猛な副所長(当時)と胸襟を開き土佐の近未来を語り合った。

 

高知県ミーティング 地元の方のお話 高知県シンガポール事務所 菊水酒造のデーナさん

2013年11月、私が尊敬するシェフ二人とともに柚子狩りを体験し、高知県の調理学校では地元のシェフ達と交流を図り滋味ある山海・河川の恵みを味わいながら郷土の宝を五感で感じる体験をさせてもらった。『百聞は一見にしかず』、『知識は経験に勝てず』。高知県プロモーションをともに戦ってくれるシェフ達もたちまち高知を大好きになってくれ、以来オーストラリアで高知柚子を使った様々な料理・デザートを創作、高知県物産の普及に尽力してくれている。まだまだ小さな一歩かも知れないが豪州の新しい食文化創造の礎となる取り組みが連綿と続いている。仕事を歌に例えるならば、百年後、作者は知らずとも誰かがその歌を口ずさんでいてほしい。僕らも同じだ。100年後、高知柚子や日本酒を食するオーストラリア人を瞼に夢見て今の仕事をする!ロマンはすぐ身近にあるものだ。

高知県での柚子収穫

高知県は新幹線も通っていなければ大企業の姿もあまり目に付かない。僕の住むメルボルンと共通するが街中を路面電車がガタゴトのんびり走っている。高知にはやけにレトロな車体が多いせいか「昭和40年代か!」と思わず突っ込みたくなる。厳しい山岳に囲まれ、最後の清流と名高い四万十川、吸い込まれるような紺碧の美・仁淀川を擁する。そしてご存知、雄大な太平洋を望む桂浜、等々。手を付けなかったのか、手を付けられなかったのか今となってはどちらでも良いが、とにかくこの大いなる自然が生き生きと残っている事実に勝手ながら人類を代表して手を合わせたい。これはお金じゃ買えない。もはや地球のお宝地域だ。

高知県のトラム

高知県の自然

高知県の柚子や日本酒、物産が徐々にではあるがオーストラリに普及しつつある。微力ながら我々は今後も色々な活動や販売促進にチャレンジしてゆく覚悟だ。そして今度はオーストラリアに住む人達に実際、高知県へ行ってもらいたいし、見てもらいたいという大きな目標がある。桂浜やひろめ市場でオーストラリア人、世界の旅行者たちが楽しそうに笑っている姿を夢見て、『海援隊南半球支店』のつもりで頑張ってゆきたいと思う。

柚子プロモーション オーストラリア

高知柚子プロモーションメルボルン

イベント後

手前味噌ながら少々、活動レポートをリンクいたします。

高知県 高知柚子&物産イベント
(2014年2月27日、メルボルンRACV CITY CLUBにて開催)

日本語 http://www.gogomelbourne.com.au/events/report/4869.html

英語 http://www.japaninmelbourne.com.au/event-kochi-yuzu-australia/

動画レポート